コロナ禍で大打撃をうけた観光業界に勢いが戻ってきていることをこのところ実感します。
特に今月に入ってから春の陽気や桜の開花に誘われ、国内だけではなく海外からの旅行客を街中でよく見かけました。
日本は2003年の観光立国宣言以来、コロナ前までは観光客数を着実に伸ばしてきました。アフターコロナの回復やそれ以上の発展が期待される中、国土交通省では観光立国推進基本計画を2023年3月を閣議決定し、観光業の回復だけにとどまらず、さらに高いレベルで推し進める政策が検討されています。
この基本計画には「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」の3つのキーワードが掲げられています。
先日通訳をさせていただいたSCoT Webinarシリーズは、さまざまな角度から観光業に関するトピックをとりあげ、日本だけではなく他国の取り組みを紹介しています。
2月に行われた能登半島での里山マイスターの活動報告は、政府の目指す「持続可能な観光」と「地方誘客促進」の今後の方向性として参考になる事例でした。
ずっと地元に住んでいる人、その土地の魅力に引かれて移住した人、またその人達の熱い思いを観光業や地元のビジネスに生かすためのプログラムの構築やそこでのネットワーキングなど、「持続可能な観光」と聞いただけでは何をすればよいかピンとこなくても、このような具体的な活動報告を聞くと、個人の活動や人材育成がいかに観光業や地元の経済発展に貢献しているかがよくわかります。
また里山マイスタープログラムが、魅力あふれる能登の里海里山を生かし、観光客を誘致しながら地域を活性化させるきっかけとネットワークづくりの基礎となっています。地方活性化と観光業の発展には人材育成を支える枠組みがかかせないと再認識されられました。
人口減少や地方の過疎化は、観光業界のみならず、社会全体の課題として日本が抱える課題です。その解決策の一例として、この能登での活動は他の地域でも参考になる事例として興味深く学ぶことができました。
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